腰かけOLから念願の児童英語教師に

高校を卒業後、外国語専門学校に進んだ私が就職の際に、専門学校で学んだ英語を活かす仕事にこだわらず、ごく一般的なOLとして地元の老舗企業を選んだのは、英語を使った仕事はあとからでもできると思ったからでした。そもそも学校へ来る企業からの求人は、実は英語と関係ないものが大半です。自分としては、好きな英語に関連した仕事がしたいという気持ちは強かったのですが、学校に来ているような新卒採用はその時でなければ経験できないと思い、あえて英語とは全く無関係の会社でしたが就職を決めました。

その会社では経理関係の部署に配属されることとなり、およそ7年ほどの勤務期間、ずっと同じ仕事に従事していました。これといって何の特徴も責任もない、まさにその時代はそれが普通であった「腰かけOL」の仕事です。結婚するまでの数年間、簡単な事務のお勤めをして、結婚が決まると退社するというのにピッタリの仕事です。会社としては結婚後の勤務も歓迎していたのですが、実際その当時「寿退社」をする女子社員がほとんどでした。

私自身は、一度新卒採用で就職したら、その後は自分の希望する英語関連の仕事に就きたいと思っていたものの、あまり行動的でない性格ゆえか、自ら退職するというきっかけはつくれず、そんな私が利用したのが結婚でした。結婚を理由に退職し、希望の仕事に職替えしたいと思ったのです。

実は最初からぼんやりとですが希望として頭のなかにあったのは、英語講師の仕事でした。それも自分が子どもの頃に英語教室に通っていたこともあり、児童英語教師に関心がありました。私が最初に思った通り、その仕事は新卒で就く仕事というよりも、他の仕事からの転職組や、ある程度の年齢を重ねた人も多くいます。結婚退職後しばらくして、運よくある児童英語教室の講師募集に巡りあい、さっそく応募して採用されるに至りました。

一般企業における9時~5時の正社員としての勤務と、勤務曜日・時間もイレギュラーな講師の仕事は、何もかもといっていいほど違うところだらけです。稼動日は自分の担当する教室によって異なり、当然クラスのある時間のみの勤務なのですが、小中学生対象クラスなので勤務時間帯は15時~21時頃です。またその年の状況により、クラス時間が違うことになります。報酬も、担当するクラス数単位で算出されます。ですから同じ仕事をしていて昇給というのはあり得ず、稼働が増えないことには、収入も増えません。

収入を時間給に換算すると一見、割がよいのですが児童英語講師の仕事は普通のパートなどと違い、レッスン時間以外にも教案を作ったり教材の準備をしたりということが必要なので、単純に稼働時間のみが勤務時間にはなりません。スキルアップや保護者対応など、レッスン時間外にすることはさまざまあります。これは、自分がその仕事を始めて、実感としてわかったことです。

何より専門スキルが必要になる仕事なので、求人があっても何の準備もなく誰でもできるというわけにはいきません。私の場合も、漠然とでもこのような仕事につきたいという気持ちがあったために、いつそのようなチャンスがきても良いようにと、英語力などそのための勉強は自分なりに続けていました。だからこそ、いざ求人を見つけた時にすぐ応募できたのだと思っています。願望だけで何もせず、学校卒業以来は英語から遠ざかっていたとしたら、さすがに不安があって応募をためらってしまったでしょう。ですから、転職先希望が異業種であるほど、自分の中にアンテナを張っておき、自分のスキルを錆びつかせない、またスキルアップを怠らないことが、チャンスをものにすることにつながるとおもっています。