警備会社からパチンコ店へ

私は40歳になる既婚男性です。高校を卒業して上京し専門学校に通っていましたが、学費のやりくりが厳しくなりやむを得ず退学。そのまま東京で警備会社に就職をし、30歳の時に妻と出会って結婚をしました。警備会社に入りたての頃は、アルバイトさんと同じく道路や建築現場の交通誘導を担当し、真夏でも真冬でも外に立っている厳しい仕事でした。

入社をして徐々に年数が経つにつれ、外の仕事だけでなくショッピングセンターや企業の工場など、施設に常駐しての警備も行わせてもらえるようになりましたが、こちらは夜勤があり、一般の人たちが仕事を終える頃に出勤し、みんなが寝静まる頃に巡回をするという昼夜逆転のお仕事でした。施設に常駐する警備員は楽だと思っていましたが、体内リズムが狂うからかなかなかハードな仕事で、夜勤のシフトを終えて暫くは夜に眠れない事が多々ありました。こんなハードな仕事でしたが、私の給料は雀の涙ほどの昇給しかせず、同じ年代の方々と比べると雲泥の差がありました。何度か上司に相談をしましたが一向に改善されず…子どもが大きくなるにつれ厳しくなっていく生活を何とかしようと転職を決心しました。

私が転職先に選んだのは東京都下で何店も運営をしている大きなパチンコ店。テレビコマーシャルもやっており、きちんとした制服で清潔でおしゃれなお店で働く方々を見て決心をしました。面接に行った時に感じたのは「冷暖房完備で清潔な環境で仕事ができる事」と「通勤先が決まっている事」。今までの社会人人生のほとんどが道路や建築現場が職場でしたし、現場はコロコロと変わり、日々勤務先が違うという仕事でしたので、毎日同じ場所に通う事がとても新鮮でした。

就職が決まり、初出勤の日。指定された時間より30分ほど早くお店に到着しましたが、人事担当の方が出勤されておらず、戸惑っていますと若い社員さんが声をかけてくれ休憩室に招き入れてくれました。今までの職場はやはり現場仕事という事で、人づきあいが下手だったりぶっきらぼうな方が多かったのですが、さすがに接客業の会社だけあって気づかいをしてくれるのだなあと変な関心をしたものです。

また実際に仕事をしてみてイメージと違ったのは、お客様がいない時の仕事が思いの他多くあるという事です。開店前やへ閉店後の掃除、というのはお店であればほとんどが行っている事だと思いますが、パチンコ店の場合は、更に全てのパチンコ台を1台1台丁寧に拭き掃除をします。これが実際にやりますとなかなかの重労働で、ずらっと並んだ台のガラスを開け、玉が弾き出されるレーンや受皿を拭き、ガラスを拭き、ハンドルを拭き…朝シフトの少ない人数でやるには、スピードとコツという熟練度が必要になる仕事です。

このようにチームワークと明るい接客で和気あいあいというイメージのあるパチンコ店ですが、やはり大金を、しかも現金で扱う仕事だけあって、そのセキュリティは高度ですし、経営者や責任者の方々は常にピリピリとした緊張感に包まれているような気がします。この一部分の緊張感も今までの仕事では経験したことのないものでした。

今のところ、職場の仲間たちとの関係もうまくいっており、また仕事も大体の内容を覚え、大きなストレスもないので、転職は成功だったかなと思ってはいますが、この先どのような事態になるかは分からとず、また転職するという事態になるかもしれません。

万が一、そのような事態になったとして、仕事は生活を充実させるためにある=お給料というものの対価に労働を提供することを念頭に、実際に自分自身が会社から持たされる役割と、頂く御経量がそれに見合ったものなのかという事をしっかりと見極めて、仕事の楽しさはお給料の次という姿勢で日々の労働と向き合いたいと考えています。