小売業界から一転して旅行業界への転職

小売業界ではお客様に直接商品の説明をしたり、商品の長所を提案するなど販売に関係する仕事をしてきました。一番のやりがいは「あなたから商品が買えてよかった」というお客様からのお言葉でした。そんな私に転機が訪れたのは、2011年のことでした。

私が働いた小売業とは、家電量販店でした。エコポイント需要によるテレビ・冷蔵庫・エアコンといった電気屋さんでも花形商材が来る日も来る日も飛ぶように売れる時代でした。当時、パソコンの担当をしてたい私でさえも売り場全員がテレビコーナーに移動してお客様の対応に追われるという状況でした。そんな時に、テレビを購入しに来た海外のお客様がおられました。店舗では英語を話せるスタッフが私だけであったことから、説明は私が行うことになりました。この時、接客した海外のお客様は日本に来て驚いたことや海外との違いなどを私と会話を交わしていました。

今後も電気業界で長く働いていく自分を想像することも多くなり将来において悩んでいた時期でした。ちょうどそんな時に以前より絵画留学に興味があった私は、その時接客をさせてもらった海外のからのお客様の話にすっかり聞き入っており、「自分ももう一度やりたかったことにチャレンジしたい」と決断するに至りました。その後、会社を辞めてすぐに留学をしました。海外では思い描いていた通りの日本とは異なる時間の流れや空気の美味しさなどを触れることができました。

海外から帰国して感じたのは、「もっと海外に住みたい」という海外と関わる仕事に関する関心でした。そのことから、次に思い浮かんだのが旅行業界でした。海外赴任をして海外に定住しながら旅行を楽しみにしているお客様を案内することはやりがいだと感じました。

しかし、これまでは販売業をしてきたので、お客様を楽しませるトークとか団体旅行で多くの方に対する気配りの重要さなど仕事をこなしていく中で、就職前には気づかなかった起点のきいた立ち振る舞いの重要性を感じることとなりました。業種が変わったことで、前職で学んだ教育と新しい旅行業界での教育方針や考え方にも違いが出てきていることにも気づきました。

家電業界では、とにかく結果だけが重視されている体育会系のノリでしたために、中間報告は省いても良いという風潮でした。とにかく今日は何をしてどこまで達成できたのか?という結果主義でした。しかし、旅行業界では報告、連絡、相談といった一連の流れを重視する過程を大事にする会社でした。ついつい、業務進めていく中で全勝と今の仕事との比べてしまう部分が自分にあり、仕事のやりにくさを感じていました。

前職では良いと言われていたことが、今の仕事では、まちがっていると言われて直さなければいけない環境。積み重ねてきたものがゼロになることに不安を覚えることさえもありました。1つの仕事を長くすることは、転職する際には大きな足かせになるように感じました。自分が正しいと教えてら持ったことが実は業界が変われば、会社が変われば悪いことにもなるということの怖さを実感します。

しかし、このような壁を感じながら仕事をしていくと、次第に景色が変化していくことに気づきました。会社が違うのだから、業界が違うのだから考え方が変わって当たり前というように飲み込めるようになりました。飲み込むまでにはそれなりに何度もぶつかるところがありましたが、飲み込めるようになった今は、非常に気持ちにも余裕が出てくるようになり、仕事が楽しくおもえる余裕を感じながら仕事を行えるようになりました。転職したからこそ、器が広がり考え方も柔軟になることができました。

業界が変わるとまた一から覚え直さなければいけないことは、業務内容だけでなく仕事に対する取り組み方の意識の変化というのも大事にしなければいけないと思います。